2ストバイクを買取に出す際に知っておきたいこと


2ストロークのバイクは排ガス規制などによって、新車が販売されることがなくなったため、現在では4ストロークのバイクが主流になっています。しかし2ストには4ストにはない魅力があるため、中古市場では今でも人気があると言えるでしょう。

ですのでここでは、2ストバイクの特徴や、中古市場でどう扱われているのかということについて紹介します。

そもそも2ストとは何なのか

2ストロークのバイクを持っている人でも、それがどんなバイクなのかよく分からないという人もいるでしょう。ですので、まずは2ストロークのエンジンがどんなものかということを知っておきましょう。そもそもバイクで使われているエンジンには4ストロークと2ストロークという2種類がありますが、両者の大きな違いは燃焼行程の違いだと言えます。

まず4ストロークの場合は、吸入・圧縮・燃焼・排気という4つの工程によりエンジンを動かすという仕組みになっています。それに対して2ストロークの場合は、吸入と圧縮という2工程と、燃焼と排気という2工程をそれぞれ1つの工程として行っているため、本来の4工程が2工程に圧縮されているという仕組みになっているのです。

なので4ストロークや2ストロークという呼び方は、そうした工程数に由来しているものだと言えるでしょう。さらに回転数で説明すると、4ストロークはエンジン2回転に対して1回の燃焼を行っていますが、一方の2ストロークはエンジン1回転に対して1回の燃焼を行っているため、回転数と燃焼回数が同じになるのです。

そのためエンジンの回転効率に関しては、2ストロークの方が4ストロークよりも2倍も効率が良いということになるでしょう。

しかし、だからと言って単純に2ストは4ストの2倍の馬力があるということではなく、特に市販車の場合はそこまでの馬力差があるわけではありません。ただしバイクレースに使われるものになると、例えば500ccの2ストと1000ccの4ストが互角に戦っていたという時期もあったと言われています。

ですので市販車の場合も、馬力差が2倍とはいかないものの、同じ排気量であれば確実に2ストの方がパワーが勝るということが言えるでしょう。

2ストのバイクにはどんなものがあるのか

2ストロークのバイクで多いのは、250ccクラスのものであり、国内のバイクメーカー各社が製造していた代表的な250ccクラスのものが存在します。それらの代表的なバイクは既に20年ほど前に生産終了していますが、現在でも4ストロークの400ccクラスのバイクより速く、パワーもあると言われています。

また原付の場合は、比較的長く2ストバイクの生産が続けられていましたが、2008年に行われた排ガス規制の強化によって、国内での生産は終了してしまいました。

しかし、2ストの原付の需要はいまだにあるため、エンジンさえしっかりしていれば、中古での買取が可能だと言えるでしょう。

2ストのメリット

2ストロークバイクの最大のメリットは、先ほども紹介したようにパワーがあるということであり、4ストロークでは得られないものだと言えるでしょう。そしてそれ以外にも、2ストでしか出せない甲高いエンジン音や、高回転の吹きあがりの感覚に魅力を感じている愛好家も多くいます。

2ストの場合は、エンジンが最も効率的に力を出せる回転域のことを意味するパワーバンドが発生することが多いため、高回転で一気に吹き上げる爽快感があると言えるでしょう。また2ストロークのエンジンは、仕組みが比較的単純に出来ているため、車体の重量を軽くすることが出来るというメリットもあります。

ですので、車体の軽さが重要になる峠道での走行にも向いていると言えるでしょう。そして2ストのエンジンは仕組みが単純なため、4ストのエンジンよりも整備がしやすいということもメリットだと言えます。ですので素人であっても、多少の知識を学ぶことによってエンジンの整備を行うことも可能でしょう。

2ストのデメリット

2ストロークバイクのデメリットは、エンジンが高回転タイプで1回転1燃焼という毎回燃焼する仕組みになっているため、壊れてしまうリスクが高いということです。そのため、エンジンが焼き付いたり、クランクシャフトが壊れてしまうといった致命傷を負ってしまうことも少なくありません。

2ストはパワーがあり、エンジンを吹かした時の感触に魅力があるのですが、それと引き換えにリスクもあるということです。なので、高価買取のためにはエンジンの状態が良いことがとても重要になってくるということが言えるでしょう。

そして2ストロークは、エンジンの仕組み上あまり整備に出さなくても済むため、そのことで却ってエンジンの状態が悪くなりがちであるというデメリットもあります。2ストの場合は、エンジンオイルが同時に燃焼される仕組みになっているためオイルを継ぎ足すだけで済み、オイル交換をしなくていいので、その点だけ見れば便利だと言えます。

しかしオイル交換をしないということは、バイク屋に持って行ってエンジンを見てもらう機会が減ってしまうということでもあるため、小さな不具合などに気付きにくくなってしまうのです。そのため、いざ買取に出すという時に、既にエンジンの状態が悪くなっている場合が少なくありません。

中古市場の状況

2ストロークのバイクは中古市場で取引されていますが、一般的には4ストロークのバイクよりも買取価格が安くなってしまう傾向にあると言われています。その理由としては、4ストの方が現在の主流になっているからということがまずあります。

4ストの場合は燃費や耐久性に優れているため、特にエンジンのパワーなどにこだわりがない場合は、4ストの方がメリットが多いということも選ばれている理由になっていると言えるでしょう。そして2ストの中古は、先ほども紹介したようにエンジンの状態が悪くなっている場合が多いということも、買取価格が安くなってしまう理由として挙げられます。

ただし2ストロークのバイクでも、エンジンの状態が良いケースであれば高価買取してもらえる場合があると言えるでしょう。2ストには今でも愛好家が多く、それ自体の需要はあるため、状態さえ良ければ売れるということです。

そのため、2ストの場合はより状態の良い時に売るのがポイントです。乗らない2ストバイクがある場合は早めに買取に出すほうが良いと言えるでしょう。また、日頃からしっかりとメンテナンスをしている場合は、2ストバイクの買取相場が値上がりした時に売るという方法もあります。